骨粗しょう症の骨折部位について どこが骨折しやすいの?|たけもと整形外科【公式サイト】|一宮市の整形外科

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骨粗しょう症の骨折部位について どこが骨折しやすいの?


骨粗しょう症になると、少しの衝撃で骨折してしまう可能性があります。

骨密度の低下を指摘された方の中には、どの部位の骨折に注意すべきか気になる方もいるでしょう。


この記事では、骨粗しょう症で起こりやすい骨折の部位について解説します。


■骨粗しょう症になると骨折しやすくなる理由


骨粗しょう症になると骨折しやすくなるのは「骨密度」(骨の中身の量)が低下し、骨の中身がスカスカになってしまうからです。


人間の骨の細胞では、常に「骨を壊す働き」と「骨を新しく作る働き」が繰り返されており、丈夫な骨が保たれています。

しかし、加齢やホルモンバランスの変化などが原因となり、作る働きよりも壊す働きの方が優位になってしまい、知らないうちに骨がスカスカになってしまうのです。


中身が減った骨は脆くなるため、転倒したり、物にぶつかったりなど、少しの衝撃でも骨折してしまう場合があります。

骨密度が低下した場合、骨折しないように注意して生活することが重要です。


■骨粗しょう症で起こりやすい骨折部位


骨粗しょう症になると、以下の部位に骨折が起こりやすくなります。


  • 上腕骨近位部(じょうわんこつきんいぶ)骨折

  • 橈骨遠位端(とうこつえんいたん)骨折

  • 大腿骨頚部(だいたいこつけいぶ)骨折

  • 腰椎(ようつい)圧迫骨折


それぞれの症状や特徴を詳しく見ていきましょう。


◎上腕骨近位部骨折(じょうわんこつきんいぶこっせつ)

上腕骨近位部骨折は、腕の骨のうち胴体に近い部位に生じる骨折です。

主に転んで手を突いたり、肩を強く打ったりした場合に発症します。


上腕骨近位部骨折は、骨折の際に腕の骨と関節に近い部分の骨がねじれてしまう「転位」が起こる場合があります。

転位が起こると骨の治りが遅くなるだけでなく、血行が悪くなるために、骨が壊死(腐ってしまうこと)する場合もあるのです。


骨折するとしばらく腕を動かせないため、日常生活にも大きな支障が出てしまうかもしれません。


◎橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)

橈骨遠位端骨折とは、手首の付け根あたりに生じる骨折であり、骨粗しょう症で起こる中でも代表的な骨折です。

転んで手を突いたときや、自転車で転倒したときなど、手を強く突いたときに発症する可能性があります。


骨折部位となる「橈骨(とうこつ)」や「尺骨(しゃっこつ)」は非常に細い骨であり、骨密度が低下すると簡単に折れてしまうようになります。


手の神経が近くを通るため、しびれなど感覚の異常が生じることもあり、日常生活に支障がでやすい骨折の1つです。


◎大腿骨頸部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)

大腿骨頸部骨折は、股関節の付け根の部分に生じる骨折を指します。

高齢者における骨粗しょう症の代表的な骨折の1つであり、受傷すると立ったり歩いたりできなくなるために、寝たきりになる可能性もある骨折です。


大腿骨頸部骨折は、根本の血行が悪くなり壊死する可能性もあります。

そのため手術を行い、歩けるようになるまでリハビリを実施するケースも珍しくありません。


◎腰椎圧迫骨折(ようついあっぱくこっせつ)

腰椎圧迫骨折は、背骨のうち腰の骨にあたる「腰椎」に生じる骨折です。

「椎体(ついたい)」と呼ばれる部分が潰れてしまい、痛みや変形を伴います。


腰椎圧迫骨折は、床へ尻もちを付いたり、椅子に勢いよく座ったりしたときに受傷します。

背骨には太い神経である「脊髄」が通っており、骨折によって神経が傷つくこともあるため、骨粗しょう症で生じる骨折の中でも注意が必要です。


■骨粗しょう症の治療方法


骨粗しょう症の治療法には以下のようなものがあります。


  • 薬物療法

  • 運動療法

  • 食事療法

  • 生活習慣の見直し


薬で骨を壊す・作る働きのバランスを調整し、骨に栄養や刺激を与えるために、食事や運動へ気を配ることが大切です。


また、アルコールやたばこが治療を妨げる場合もあるため、骨密度を改善したい方は生活習慣を見直すのもよいでしょう。


骨粗しょう症の治療については「骨折で寝たきりにならないために…骨粗しょう症の治療について」の中で詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。


■骨粗しょう症で骨折を予防するには?


骨粗しょう症になってしまった場合、骨折を予防するには「転ばないこと」が重要です。

転倒したり尻もちを付いたりすると骨に強い衝撃が加わり、脆くなった骨は簡単に折れてしまいます。


転倒を予防するには、筋力を鍛える、バランス感覚を養うなど、リハビリテーションで行う訓練を習慣づけることが大切です。


整形外科のリハビリ室では、運動能力を高めるためのアドバイスや、個人ごとの能力に合わせたリハビリを受けられるため、気軽に相談してみてください。


筋力やバランス能力が低下し転びやすくなっている状態は「ロコモティブシンドローム」とも呼びます。


■骨粗しょう症を治療して骨折を予防しよう


骨粗しょう症になると骨折する可能性が高くなるため、早めに治療や予防を開始することが重要です。

すでに骨密度が低いと診断されている方は、骨折しやすい部位をよく確認し、注意を払って生活しましょう。


『たけもと整形外科』では、骨粗しょう症の治療や、転倒予防のリハビリテーションを提供しています。

骨折して寝たきりになるのが心配な方、骨粗しょう症を早く治したい方は、ぜひ当院にご相談ください。


たけもと整形外科
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