「朝起きると手がこわばっている」「最近指の関節がむくんで動かしにくい」
このような症状は、関節リウマチ初期のサインかもしれません。
自覚した場合は早めに検査を受け、関節リウマチの対策や治療を行うことが大切です。
この記事では、手のこわばりがある場合に行う関節リウマチの検査や治療について解説します。
目次
■手の「むくみ」や「こわばり」は関節リウマチのサイン
手のむくみこわばりは「関節リウマチ」の特徴の1つであり、早期発見・治療開始のポイントです。
関節リウマチになると、免疫細胞が正常な組織や細胞を攻撃してしまい、関節周囲の組織が炎症を起こします。
炎症が起こった関節は、内部に「滑液」と呼ばれる水がたまり、指の腫れやこわばりが生じるのです。
関節リウマチによる手のこわばりは朝に多いのが特徴であり、起床後しばらくすると、徐々に落ち着いていきます。
ただし、悪化して炎症が強く出ているケースでは一日中こわばりを感じることもあり、日常生活に支障が出る場合もあります。
手のこわばりは初期からみられる特徴のひとつであるため、自覚した場合は早めに整形外科を受診し、検査を受けることが大切です。
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■関節リウマチの検査方法
関節リウマチは、さまざまな検査結果を照らし合わせて確定診断を行います。
医師による問診や視診・触診以外に、以下のような検査を行って診断します。
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画像診断
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血液検査
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滑液の検査
それぞれ詳しく見ていきましょう。
※クリニックによって対応していない検査もあります。
◎画像診断
関節リウマチにおける画像診断では、主にX線画像診断(レントゲン検査)を行い、関節が破壊されているかを判断します。
X線画像だけで判断するのが難しいケースでは、超音波検査(エコー検査)で関節内部の炎症を確認することも可能です。
画像診断を行うことで、手のこわばりや指の痛みの原因が関節にあるのか目星をつけられ、より具体的な検査を行う準備ができます。
◎血液検査
関節リウマチでは、血液検査で特定の数値が大きくなります。
「リウマトイド因子」や、特定の抗体、タンパク質のほか、炎症が起こった際に高くなる数値などから総合的に判断し、関節リウマチを特定します。
また、関節リウマチの方は軽度の貧血と似たような所見が見られることもあり、血液検査の結果に現れる場合があります。
◎滑液の検査
関節リウマチでは滑液にも特徴が見られるため、採取して調べることもあります。
炎症の起こっている関節の滑液は黄色く濁りますが、細菌などの感染によるものではないのが特徴です。
また、痛風のように尿酸の結晶が関節にたまって炎症を起こすわけではないため、滑液に結晶は見られません。
■関節リウマチの治療法
関節リウマチと診断された場合、以下のような治療を行います。
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薬物療法
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リハビリテーション
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生活習慣のアドバイス
治療について詳しく解説します。
◎薬物療法
関節リウマチは徐々に進行していく病気であるため、症状を抑える薬を使用して進行を遅らせるのが重要です。
また、痛みや炎症が強く日常生活に支障が出ている場合には、抗炎症作用や鎮痛作用のある薬を併用します。
関節リウマチの薬は多くの種類があるため、症状や特徴、体質に合わせた薬を見つけ、継続して服用していくことが大切です。
◎リハビリテーション
リハビリテーションも関節リウマチの治療手段の1つとなります。
整形外科では、物理療法(機械を使用する治療)による鎮痛や、装具療法(サポーターなどを使用する治療)による鎮痛、運動療法による筋力や関節の機能維持などが可能です。
理学療法士や作業療法士の指導のもと、関節に負担がかからない安全な治療を行うことで、
身体機能を維持し生活の質を保ちます。
◎生活習慣のアドバイス
関節リウマチの方は、日頃の生活習慣にも気を付けることが重要です。
体重があるために関節に負担がかかっていたり、仕事と趣味の内容から関節の炎症を悪化させていたりするケースもあります。
生活スタイルに合わせたアドバイスや指導を受け、症状の悪化を防ぐのも重要な治療のひとつです。
■手のこわばりを感じたら何科を受診すればいい?
手のこわばりを感じた場合、整形外科を受診しましょう。
整形外科では、手のこわばりについて詳しく話をお聞きし、必要に応じて関節リウマチの検査を行うことが可能です。
また、手の炎症やこわばりは「へバーデン結節」や「腱鞘炎」「手根管症候群」など、関節リウマチ以外の病気が原因で起こる場合もあります。
手の状態や症状、検査結果などを参考に、どの病気が原因でこわばりを感じているのかを特定できます。病気ごとに適した治療や支援を受けるために、まずは整形外科を受診して検査を受けましょう。
■手のこわばりの検査と治療は整形外科に相談しよう
手のこわばりは関節リウマチが原因で起こっている可能性があります。
放置していると症状が悪化し、日常生活に大きな支障が出てしまう場合もあるため、違和感を感じた方は早めに整形外科で検査と治療を受けましょう。
患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせた関節リウマチの治療計画を立て、日常生活での注意点やリハビリについても丁寧にアドバイスすることが可能です。
手のこわばりがあり、関節リウマチの不安を感じている方は、早めに相談いただくことで早期発見・早期治療につながります。