突き指をしたり、転んだ拍子に強く手をついたりすると、指の骨を骨折する場合があります。
指の骨折は手術せずに治せるのか、保存療法で綺麗に治るのか気になる方もいるでしょう。
この記事では、指の骨折における手術の必要性や、治療法について解説します。
■指の骨折は手術が必須なの?
指の骨折を治療する場合、手術は必須ではありません。
骨折した骨の「ずれ」が少なく安定している場合は、手術を選択せずに保存療法で治療を行うこともあります。
ただし、手術をしなければ後遺症が残ったり、骨が変形してくっついてしまったりするケースもあります。
以下のようなケースでは、手術を選択する場合があります。
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骨折が関節にまで及んでいる
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複雑に骨折している
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骨が皮膚を突き破っている
治療後に骨折前の状態へ戻すためにも、視診や触診、レントゲンなどで骨の状態を検査し、治療方法を選択することが大切です。
指の骨折については『これって指の骨折? 捻挫や突き指との違いについても解説』で詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
■指の骨折の治療法
指の骨折の治療法は、主に「保存療法」と「手術」の2種類に分けられます。
それぞれの治療法について見ていきましょう。
◎保存療法
保存療法は、骨折部分の「ねじれ」や「ずれ」が少ない場合に選択します。
保存療法は、一定期間骨を固定しておき、自然にくっつくまで待つ治療法です。
指の骨折における保存療法では、以下のようなものを使用して骨を固定します。
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テーピング
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添え木
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ギプス
保存療法中は骨が動かないよう、ギプスを使用するのが一般的です。
時と場合によっては、隣の指を支えにしてテーピングで固定したり、スポンジの付いた金属製の「添え木」などを使用したりします。
固定する前には、骨を正しい位置へ戻す「整復」も必要です。
正しい位置に戻してから固定しなければ、骨折が治った後に変形し、うまく動かせなくなってしまいます。
保存療法の場合、個人差はありますが、約1ヶ月程度で骨がくっつきます。
元通りの機能を取り戻すまでには、2ヶ月程度かかる場合が多いです。
◎手術
保存療法では治療が難しい場合は手術を選択します。
指の骨折の手術には、以下のような方法があります。
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ワイヤーで骨を固定する方法
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ワイヤーを骨に刺し込んで固定する方法
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金属製のスクリュー(ねじ)を入れて固定する方法
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金属のプレートを使用して固定する方法
骨折部分が真っ直ぐくっつくよう、状態によって手術方法を選択するのが重要です。
骨折の治癒後、金属を取り除く「抜釘手術」を行う場合もありますが、そのままにしておくケースもあります。
■指の骨折に対するリハビリ
指の骨折の治療で重要になるのが「リハビリ」です。
指の動きや筋力を骨折前の状態に戻すため、専門家の指導のもとで訓練を行います。
指の骨折に対して行うリハビリを詳しく見ていきましょう。
◎関節可動域訓練
関節可動域訓練は、指の曲げ伸ばしを骨折前の状態へ戻すリハビリです。
骨がくっつくのを待つ間は関節を動かせないため、動きが硬くなってしまいます。
骨の状態を見ながら、少しずつ曲げ伸ばしの練習を行っていき、固くなった筋肉や関節を動かします。
はじめのうちは理学療法士などの専門家に動かしてもらいます。
許可が出た後は自主的に訓練を行うことで、早く元通りの動きに戻すことが可能です。
◎筋力増強トレーニング
筋力増強トレーニングでは、動かせない間に低下した指の筋力をもとに戻します。
指の力がないと物を持てないため、筋力トレーニングは非常に重要なリハビリ項目です。
グーとパーを繰り返したり、やわらかいボールや丸めたタオルを握ったりなどし、物を掴む力や支える力を戻します。
関節可動域の訓練にもなるため、理学療法士から指示が出た場合は積極的に自主訓練を行いましょう。
◎物理療法
固定中に筋肉が固まり痛みが出ている場合には、物理療法を使用します。
電気や熱などを利用して筋肉をほぐし、痛みをやわらげることが可能です。
また、血行が良くなり、筋肉が柔らかくなることで、関節可動域訓練や筋力増強トレーニングが行いやすくなります。
指を動かすリハビリの前には、積極的に物理療法を行うのもよいでしょう。
■指の骨折は状態によって治療法を選ぶことが大切です。
指を骨折した場合、骨の状態を検査し、適切な治療法を選択することが大切です。
治療法が合っていないと、骨がくっついた後も痛みが残ったり、うまく動かせなかったりなど、後遺症が残ってしまう場合があります。
骨折した場合は整形外科を受診し、医師と治療について相談しましょう。
当院では、指の骨折を詳しく検査し、状態にあった治療法を提案させていただきます。
理学療法士によるリハビリも提供しており、安心して治療を受けていただくことが可能です。
指の骨折の際は、ぜひ『たけもと整形外科』へご相談ください。