更年期を迎えた方の中には、「手が痛い」「指が痛い」とお悩みの方もいるでしょう。
更年期ごろになると、ホルモンバランスの変化や身体の組織の衰えなどから、手や指に不調をきたす場合があるのです。
この記事では、更年期に手が痛くなる理由や、痛みの原因となる病気について解説します。
目次
■更年期に手が痛くなるのはなぜ?
更年期になると手が痛くなるのは、ホルモンバランスや加齢による組織の劣化が関係しています。
人の身体は、加齢によって徐々に機能が変化したり劣化したりします。
更年期はその影響が大きく現れる時期であり、関節軟骨の摩耗(擦り減ること)や、筋肉と腱のトラブルなど、さまざまな原因から痛みが生じるのです。
■更年期で手の痛みが出る病気
更年期で手の痛みが生じる病気には、主に以下の疾患が考えられます。
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へバーデン結節
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ばね指
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手根管症候群
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母指CM関節症
それぞれ詳しく見ていきましょう。
◎へバーデン結節
へバーデン結節とは、指の第一関節(手のひらから一番遠い関節)にコブができる病気です。
へバーデン結節は親指をのぞく4本の指の関節に発生し、赤く腫れたり痛みが出たりするのが主な特徴です。
関節にコブができるため、指の曲げ伸ばしができなくなったり、動きに伴って強い痛みが出たりします。
そのため、物を掴んだり持ち上げたりするときに不便だと感じることもあるでしょう。
へバーデン結節とよく似ている「ブシャール結節」
へバーデン結節と似た症状の病気に「ブシャール結節」があります。
ブシャール結節は第二関節にできるのが特徴であり、それ以外はへバーデン結節と大きな違いはありません。
◎ばね指
ばね指は「腱鞘炎」の一種であり、指の曲げ伸ばしに支障が出る病気です。
スムーズに指の関節を動かせなくなるほか、指の腫れや赤み、動かしたときの痛みなどが生じる場合もあります。
ばね指は、日頃から指をたくさん使う方に見られやすい病気です。
スポーツや家事、仕事などで指の曲げ伸ばしを行う機械が多い場合は腱鞘炎が発生し、ばね指になる場合があります。
スムーズに指を動かせなくなるため、物を掴んで離すのに苦労したり、痛みから手を動かすのが億劫になる方もいます。
◎手根管症候群
手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)は、手首の中を通る神経が圧迫され、しびれや痛みが発生する病気です。
主に親指、人差し指、中指、薬指にしびれや痛み、感覚の麻痺(まひ)などが出現します。
手根管症候群の原因となる「正中神経」は、骨や靭帯などで作られる「手根管」を通り、手や指まで伸びています。
加齢や手の使いすぎ、腱鞘炎などによって手根管が狭められると、中を通る正中神経が圧迫されてしまうのです。
◎母指CM関節症
母指CM関節症は、親指に力を入れた際、付け根付近に痛みが生じる病気です。
ビンの蓋を開けようとしたり、物をつまもうとしたときに、強い力を加えることで痛みを感じます。
母指CM関節とは、親指の付け根と手首の間にある関節です。この関節は日常生活で使う親指の動きのほとんどに関わるため、使いすぎや加齢によって関節が劣化し、変形してしまう場合があります。
母指CM関節症が進行すると、関節の腫れや痛みに加え、稀に亜脱臼(あだっきゅう:関節から骨がはずれかかっている状態)になる場合もあります。
痛みや動かしにくさから、日常生活のさまざまなシーンに影響が出る可能性があるため、早めの治療が重要です。
■更年期の手の病気を疑ったらどうすればいい?
加齢や閉経などに伴い、手の痛みを感じるようになった場合は、早めに整形外科を受診するのをおすすめします。
手や指の痛みにはさまざまな原因があり、病気の種類を見極めなければ、適切に治療できないためです。
整形外科では、細やかな問診や触診に加え、X線や超音波などの専門機器を使用して、手首に生じている問題を判別できます。
また、手の痛みだけでなく、更年期特有のトラブルに関しても相談可能です。
更年期と手の痛みに悩んだ場合は、早めに整形外科を受診し、検査と治療を受けましょう。
■更年期の手のトラブルは整形外科に相談しましょう
更年期では、さまざまな手の病気から、痛みやしびれ、動かしにくさなどを感じる場合があります。
加齢による組織の劣化や、閉経などによるホルモンバランスの乱れなど、手に痛みが出現する原因は人それぞれです。
お悩みの方は、早めに整形外科を受診し、適切な治療を受けましょう。
『たけもと整形外科』では、更年期に見られる手の病気の相談も受け付けております。
加齢に伴う悩みや、手の痛み、変形などにお悩みの方は、ぜひ当院へご相談ください。