「指や手首に突然しこりができた…」
そのしこりは、もしかするとガングリオンかもしれません。
ガングリオンは、できる場所によっては無症状の場合もあります。
しかし、指や手首にガングリオンができて気になっていたり、痛みやしびれが生じたりして悩んでいる方もいるでしょう。
この記事では、指や手首にガングリオンができる原因と症状について解説します。
目次
■指や手首にできるしこり「ガングリオン」とは?
ガングリオンとは、関節や腱の周囲にできるコブやしこりです。
手首や指にできることが多く、女性は男性に比べて3倍ほど発症しやすいと言われています。
ガングリオンの正体は、嚢胞(のうほう)と呼ばれる袋に包まれたゼリー状の液体です。
関節を包む膜である関節包(かんせつほう)や、腱を包む腱鞘(けんしょう)の周囲によく出現します。また、手の甲や指によく出現しますが、首や足にできるケースもあります。
※参照:MSDマニュアル/ガングリオン
■ガングリオンができる原因
ガングリオンができる原因は、明確にはわかっていません。
「手をたくさん使うとガングリオンができやすいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、そのような関連性は明らかになっていません。
■ガングリオンの症状
ガングリオンはコブやしこりができるのが主な症状であり、それ以外の症状が出ることは稀です。
ガングリオン自体は多くの場合で痛みを持つことはなく、人によっては不快感を感じる場合もありますが、日常生活に支障が出ることはほとんどありません。
ただし、ガングリオンができる場所によっては、関節を動かしにくいと感じる場合があります。
また、ガングリオンが手や指の神経を圧迫した場合は、痛みやしびれ、違和感なども出現します。
関連記事:手・指のしびれを伴う痛みは炎症以外が原因?検査と治療についても解説
■ガングリオンは放置しても大丈夫?
ガングリオンは悪性の腫瘍ではないため、症状がなければ経過観察で済むこともあります。
見た目が気になる、不快感があるなどの場合には、ガングリオンを除去することもありますが、必須ではないため治療を見送る方もいます。
ただし、ガングリオンが原因で痛みやしびれなどが出現している場合は病院の受診がおすすめです。
悪化すると、まれに手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)などの慢性疾患につながることもあり、手先がうまく使えず日常生活に不便が生じる場合もあります。
痛みやしびれ、違和感などを伴う場合は、早めに整形外科で検査と治療を受けましょう。
また、ガングリオンだと思っていたしこりが悪性腫瘍だった場合、早めに治療を開始しなければ治療が難しくなる場合もあります。
手や指にしこりができた場合は検査を受け、ガングリオンなのか悪性腫瘍なのかを判別するのも大切です。
■ガングリオンが痛いときの対処法
ガングリオンによって痛みを感じる場合、神経を圧迫されているケースが多く、自分で行える有効な対処法がありません。
なるべく安静にするか、早めに病院で治療を受けることが対処法となります。
病院での治療については11月のトピックスでご紹介する予定です。
■ガングリオンに対して「やってはいけないこと」
ガングリオンに対し、以下のような行動は取らないように気を付けましょう。
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無理に潰そうとする
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近くの関節に強い負荷をかける
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針を刺して取り除こうとする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
◎無理に潰そうとする
ガングリオンを無理に潰すのはおすすめできません。
無理に潰そうとすると、筋肉や神経など正常な組織を傷つけてしまう可能性があります。
また、ガングリオンの嚢胞は触ると動く場合が多く、自分ではうまく潰せません。
繰り返すうちに組織を大きく傷つけてしまうケースもあるため、自分では潰さないようにしましょう。
◎近くにある関節に強い負荷をかける
ガングリオンの近くにある関節に強い負荷をかけると、ガングリオンが大きくなる可能性があるため注意が必要です。
ガングリオンは関節包や腱鞘と繋がっており、そこから流れてきた滑液(関節包や腱鞘を満たしている液体)でできています。
関節に強い力をかけると、滑液がさらにガングリオンの嚢胞に溜まり、大きくなってしまう場合もあるのです。
手や指を日常生活で使わないことは難しいですが、過度に重い物を持つようなことは避け、なるべく負担がかからないようにしましょう。
◎針を刺して取り除こうとする
ガングリオンに針を刺して取り除くのもおすすめできません。
まれに、安全ピンなどを使用してガングリオンの液体を出そうとする方がいますが、刺した場所から感染症にかかるリスクがあるため危険です。
また、針を刺そうとしてガングリオンが動き、血管や神経を傷つけてしまう可能性もあります。
針を使用した治療は医療機関で安全に受けられるため、自分で行うのはやめましょう。
■ガングリオンかな?と思ったら整形外科にご相談ください
手や指にしこりができた場合、まずはガングリオンか悪性腫瘍かを明らかにすることが大切です。
ガングリオンであれば放置していても問題ありませんが、気になる場合や痛みがある場合は医療機関で取り除く処置を受けましょう。
『たけもと整形外科』では、ガングリオンの検査や治療の相談も受け付けています。
手や指のしこりが気になる方、痛みやしびれがある方は、ぜひ当院へご相談ください。