高齢者が転倒で股関節骨折!入院期間の目安と寝たきりを防ぐ対策|木曽川たけもと整形外科【公式サイト】|一宮市の整形外科

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高齢者が転倒で股関節骨折!入院期間の目安と寝たきりを防ぐ対策

高齢者が転倒で股関節骨折!入院期間の目安と寝たきりを防ぐ対策

大切なご家族の股関節骨折、回復への道筋を一緒に確認しましょう


高齢のお母様が転倒で大腿骨を骨折された——そのご不安は計り知れません。「このまま寝たきりになってしまうのでは」というご心配に対し、入院期間の目安や手術からリハビリ、退院後の通院までの流れを整形外科医の視点でお伝えします。再骨折に備えるポイントも含め、安心への一歩としてお役立てください。


この記事の要点まとめ


  • 高齢者の股関節骨折は骨折部位により手術方法が異なり、早期手術・早期離床が回復の鍵とされている
  • 入院は急性期で約2〜3週間、回復期リハビリ病棟で1〜2ヶ月が目安で、退院前から介護保険の準備を進めることが大切
  • 再骨折予防にはDEXAによる骨密度測定と骨粗鬆症治療の継続、自宅の環境整備が有用とされている

目次



高齢者に多い股関節骨折(大腿骨骨折)とは?種類と治療法の選択基準

高齢者に多い股関節骨折(大腿骨骨折)とは?種類と治療法の選択基準

高齢の方が転倒した際に起こる股関節周辺のケガは、正式には「大腿骨近位部骨折」と呼ばれ、折れた場所によって治療の進め方が大きく変わります2


「大腿骨頸部骨折」と「大腿骨転子部骨折」の違いと手術方法


股関節は、骨盤側のくぼみに大腿骨の先端(骨頭)がはまり込む構造をしています。関節の内側(関節包の中)で折れたものを大腿骨頸部骨折、関節の外側で折れたものを大腿骨転子部骨折と呼びます。


頸部骨折では骨頭への血流が途絶えやすく、骨がつきにくい性質があるため、骨頭を金属に置き換える「人工骨頭置換術」が選ばれるケースが多くみられます。一方の転子部骨折は血流が保たれやすく、金属プレートやスクリューで固定する「骨接合術」が選ばれやすい傾向です2。どちらを選択するかは、骨折の形態・年齢・活動性などを総合的にみて担当医が判断します。


手術が困難な場合の「保存療法」と注意点


心臓や呼吸器に重い持病があり、全身麻酔のリスクが高いと判断される場合には、安静と牽引による保存療法が選ばれることもあります。ただし長期の臥床は、肺炎・尿路感染・床ずれ(褥瘡)・深部静脈血栓症、さらにせん妄や認知機能の低下といった合併症のリスクを高めるため注意が必要です。現在のガイドラインでは、可能な限り早期に手術を行い、早期離床を目指す方針が一般的とされています2。当院では他院との連携のもと、術後の運動器リハビリテーションを担う立場から、患者様お一人おひとりの状態に合わせた支援を行っています。


股関節骨折の入院期間の目安と歩行回復までのタイムスケジュール


「入院はどれくらいかかるの?」「また歩けるようになるの?」——そんなご家族の不安に対し、一般的な流れを整理します。


救急搬送から手術・リハビリ開始までの流れ(待機期間の影響)


救急搬送後は、レントゲンやCTで骨折型を確認し、全身状態を評価します。近年は受傷からおおむね48時間以内の早期手術が望ましいとされ、待機期間が長引くと合併症や生命予後への影響が指摘されています2。手術翌日からはベッドサイドで座位や立位の練習を始め、痛みの様子をみながら段階的に荷重を増やしていきます。


入院期間の目安と「急性期」「回復期リハビリ」の役割分担


急性期病院での入院はおおむね2〜3週間が目安で、その後は回復期リハビリテーション病棟へ転院し、集中的なリハビリを続けていきます。回復期での入院は最大90日程度、平均で1〜2ヶ月が一般的です。歩行器や杖を用いた歩行練習、トイレや入浴などの日常生活動作の再獲得が中心となります。


【データで見る】元の生活へ戻るために意識したいポイント


受傷前に自立して歩いていた方のうち、一定割合の方が元の歩行レベルへ近づかれる一方で、活動性が低下する方もいらっしゃいます。長期臥床へ移行する背景には、手術後のせん妄・認知症の進行・意欲低下・痛みによる離床のためらいなどが関与すると考えられています2。裏を返せば、早期離床と継続的なリハビリ、そしてご家族の温かい声かけこそが、回復を後押しする大きな力となります。


退院後の生活を守る!一宮市でスムーズにリハビリへ移行する準備

退院後の生活を守る!一宮市でスムーズにリハビリへ移行する準備

退院後の暮らしを支えるには、入院しているうちからの準備が欠かせません。


入院中に進めるべき「介護保険の新規申請・区分変更」手続き


まだ介護保険の認定を受けていない場合は、入院中のうちに市役所の介護保険窓口や、お住まいの地域包括支援センターへ申請を行いましょう。すでに認定をお持ちの方も、状態の変化に応じて区分変更申請ができます。病院の医療ソーシャルワーカーが手続きの相談にのってくれますので、早めに声をかけることをおすすめします。


一宮市で通院リハビリ(整形外科・リハビリテーション科)を選ぶ基準


回復期病院を退院された後も、運動機能の維持・向上のためにリハビリを続けていくことが望まれます。当院は運動器リハビリテーション施設として理学療法士が在籍し、広々としたリハビリ室で一人ひとりのリハビリ計画の立案・実施・評価を一貫して対応しています2。バリアフリー設計のため、歩行に不安のある方も通院しやすい環境を整えています。


自宅でできる!転倒を防ぐための安全な筋力トレーニングと環境整備


再転倒を避けるには、椅子に座っての足上げ運動、つかまり立ちでのかかと上げなど、無理のない範囲での運動が役立ちます。住環境については、玄関や廊下・トイレ・浴室への手すり設置、段差解消、滑り止めマットの導入が有効です。介護保険の住宅改修費補助制度も活用できますので、ケアマネジャーへご相談ください1


「骨折は骨折を生む」を防ぐ!骨粗鬆症治療と骨密度測定(DEXA)


一度大腿骨を骨折された方は、反対側や背骨など、別の部位を続けて骨折する「ドミノ骨折」のリスクが高まることが知られています2


ドミノ骨折に備えるための骨密度測定装置(DEXA)による正確な評価


骨粗鬆症診療ガイドラインでは、腰椎と大腿骨でのDEXA(デキサ)法による骨密度測定が推奨されています2。手首やかかとで測る簡易検査だけでは判断が難しいことも多く、正確に評価するには全身型DEXAが望まれます。当院では骨密度測定装置(DEXA)を導入し、適切な部位での精密な評価を行っています


再骨折に備えるための薬物療法と通院の大切さ


検査結果と骨折歴をふまえ、内服薬や注射薬など複数の選択肢の中から、患者様の状態に合った治療をご提案します。骨粗鬆症の治療は数ヶ月〜数年単位で続けていくことが前提となるため、リハビリ通院と並行して定期的なフォローを受けることが大切です。当院院長は日本骨粗鬆症学会認定医として、ガイドラインに沿った診療を心がけています。


よくある質問


Q1. 老人の股関節骨折の入院期間はどのくらいですか?

A. 急性期病院で約2〜3週間、その後に回復期リハビリテーション病院へ転院した場合は1〜2ヶ月程度が目安です。全身状態や骨折型、リハビリの進み具合によって個人差があります。


Q2. 80代で骨折した場合、骨がつくまでどのくらいかかりますか?

A. 骨の癒合自体は3〜6ヶ月が一つの目安とされますが、歩行や生活動作の戻り方には個人差があります。早期手術・早期リハビリ・継続的な運動療法が大切なポイントです。


Q3. 高齢者の股関節骨折で再び歩けるようになりますか?

A. 歩行器や杖を使って歩行練習に取り組まれる方が多くいらっしゃいますが、受傷前の活動レベルや認知機能、リハビリへの取り組み方によって経過は異なります。一律の見通しを示すことは難しいため、担当医とご相談ください。


Q4. 高齢者で多い骨折はどこですか?

A. 大腿骨近位部(股関節周囲)、橈骨遠位端(手首)、上腕骨近位部(肩)、椎体(背骨)の4部位が多く、いずれも骨粗鬆症が背景にあるとされます2


Q5. 退院後はどのくらいの頻度で通院すればよいですか?

A. リハビリと骨粗鬆症治療の状況によって変わりますが、週1〜数回のリハビリ通院と、月1回程度の診察・薬物療法フォローが一般的な目安です。


参考文献


1. 厚生労働省(介護保険制度・住宅改修等の公的情報). https://www.mhlw.go.jp/

2. 公益社団法人 日本整形外科学会. https://www.joa.or.jp/


竹元 暁

医師


木曽川たけもと整形外科

院長

竹元 暁

▶ 監修者プロフィール

経歴
2002年 旭川医科大学医学部卒業
2002年 札幌医科大学麻酔科入局、札幌医科大学医学部附属病院 麻酔科
2003年 旭川赤十字病院 麻酔科
2004年 帯広厚生病院 麻酔科
2005年 横浜市立大学整形外科入局、横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
2006年 聖ヨゼフ病院(横須賀市)  整形外科
2008年 藤沢市民病院 整形外科
2010年 国際医療福祉大学熱海病院 整形外科
2012年 平塚共済病院 整形外科・手外科センター 医長
2015年 熊本機能病院 整形外科(国内留学)
2016年 横浜市立大学 整形外科助教 上肢・腫瘍グループ
2017年 同グループチーフ
2018年 一宮西病院 整形外科 副部長
2023年 たけもと整形外科 開院
2026年 医療法人紫翠会 木曽川たけもと整形外科 理事長
資格・所属学会
【資格】
日本整形外科学会/日本専門医機構 整形外科専門医
日本手外科学会 手外科専門医
日本骨粗鬆症学会 認定医
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
麻酔科標榜医
産業医、日本医師会認定産業医
小児運動器疾患指導管理医師
身体障害者福祉法第15条指定医(肢体不自由)
難病指定医
臨床研修指導医
【所属学会】
日本整形外科学会
日本手外科学会
日本骨粗鬆症学会
日本整形外傷学会
日本運動器科学会
日本肘関節学会
中部日本整形外科災害外科学会