
肩の痛みがあるものの「放っておけば治るかな?」と、治療を行わない方も少なくありません。
「肩こり」や「筋肉痛」なら問題ありませんが、四十肩や五十肩が原因であった場合、放置していると日常生活に支障が出る可能性もあります。
この記事では、四十肩や五十肩を放置するリスクや治し方を解説します。
目次
■四十肩や五十肩は放置しても治る?
四十肩や五十肩は「放置しても治る」と思われる方もいますが、治療しなかったために悪化し、長期間痛みや動かしにくさに悩まされる場合もあります。
四十肩や五十肩は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれる関節の炎症です。
使いすぎや不良な姿勢が原因で炎症が起こっている場合、放置しても治らないどころか、ますます悪化してしまう可能性もあります。
もちろん、放置して治るケースもありますが、早期改善と悪化予防を行うには、早い段階から検査や治療を受けることが大切です。
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■四十肩や五十肩は時期に合わせて治療するのが重要
四十肩や五十肩には「炎症期」「拘縮期」「寛解期」の3つの時期があり、時期ごとに適した治療やリハビリを行うことが大切です。
ここでは、それぞれの時期に適した治療方針を詳しく紹介します。
◎炎症期
炎症期は四十肩や五十肩の初期であり、強い痛みが出現する時期です。
始めは動かすときに痛みを感じ、徐々に安静時や眠るときにも痛みが出るようになるケースもあります。
炎症期の治療の基本は「安静」にすることであり、関節への負担をなるべく減らして炎症を落ち着けるのがポイントです。
三角巾を使用して腕を楽にしたり、重い物を持たないようにしたりして、日常生活における肩の負担を減らします。
痛みが強く眠れない場合や、身の回りのことをこなせない場合は、痛み止めを使用して症状をやわらげます。
◎拘縮期
拘縮期は、肩の動きが大きく制限される時期です。
炎症期よりも痛みは落ち着いているものの、腕を動かせる範囲が小さいため、洗髪や着替えなどの日常生活に支障が出る場合があります。
拘縮期の治療のポイントは、こわばった筋肉や関節をゆっくりとほぐしていき、徐々に動かしやすくすることです。
肩の周りを温め血行を促す治療を行い、無理のない範囲で肩を動かす練習を行います。
この時期では、早く治そうとして無理やり肩を動かす方も少なくありません。
しかし、無理に力を加えると痛みが悪化したり、筋肉がさらにこわばったりする可能性もあるため、焦らずゆっくりと治療を進めることが重要です。
◎寛解期
寛解期は、肩の痛みがほとんど落ち着き、動きの改善も見られてくる時期です。
この時期になったら、積極的に肩や腕の運動・ストレッチを行い、動かせる範囲を拡大していきます。
病院でリハビリや治療を受けるだけでなく、自宅でもセルフエクササイズを行いましょう。
なかには、寛解期に動きが改善せず、日常生活に支障が出続ける方もいます。
その場合は、肩関節内の状態を確認したうえで、手術を検討することもあります。
■四十肩や五十肩の治療は「薬」と「リハビリ」がポイントに
四十肩や五十肩では、主に以下の治療を行います。
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薬物療法
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物理療法
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運動療法
それぞれ詳しく見ていきましょう。
◎薬物療法
四十肩や五十肩は肩関節の「炎症」であるため、痛み止めや抗炎症剤を使用して症状をやわらげます。
特に炎症期は痛みが強く、痛み止めがないと夜間に眠れない方も少なくありません。
肩をまったく動かせないほど痛みが強い場合は、関節にヒアルロン酸や抗炎症剤を注射する場合もあります。
◎物理療法
物理療法とは、熱や電気などのエネルギーを利用する治療法です。
肩を温める「ホットパック」や、筋肉に電気を流す「低周波治療」などを行い、痛みと筋肉のこわばりを軽減します。
拘縮期や寛解期の運動前に実施することで、筋肉を動かしやすくなり、治療をスムーズに進められるでしょう。
◎運動療法
運動療法では、ストレッチや関節可動域訓練、姿勢のトレーニングなどを行います。
肩の動きを元通りに戻すためには、運動療法を積極的に行うことが重要です。
はじめは理学療法士が筋肉や関節を動かしますが、痛みが落ち着き動かせる範囲が拡大したら、自分でストレッチや運動を行っていきます。
患者さんごとに必要なストレッチやトレーニングは異なるため、リハビリで自分に合う運動方法を身に付けましょう。
■四十肩・五十肩は放置せず早めに整形外科で相談しよう
四十肩や五十肩は放置して治る場合もあるものの、状態によっては、治療しなければ悪化してしまう可能性があります。
肩の痛みや動化しにくさを感じている場合は、なるべく早めに整形外科を受診し、検査と治療を受けてみてください。
『たけもと整形外科』では、四十肩や五十肩の時期ごとに適した治療を提供しています。
肩の痛みでお悩みの場合は、お気軽に当院へご相談ください。
